なぜ日本人は、最悪の事態を想定できないのか 井沢元彦著
日本が無謀な戦争に突入したのも、原発事故を起こしたのも、すべての元凶は「言霊信仰」にあるという。「言霊」とは、言葉に宿る霊威のことで、古来、その力が働いて言葉どおりの事象がもたらされると信じられてきた。つまり、よい言葉を発すればよい事が起こり、悪い言葉を発すれば悪い事が起こる。声に出した言葉が現実となるのだ。
言霊信仰に従えば、戦争に負けると言えば負け、原発事故が起こると言えば起こるため、誰もネガティブな想定をしなくなってしまう。21世紀の現代でも、日本人の行動原理には言霊が生きている。
この国がいかに言霊に支配されてきたのかを例証しながら、それがいかに危険なことかを論じている。
祥伝社新書 798円
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