経済学の犯罪 稀少性の経済から過剰性の経済へ 佐伯啓思著

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経済学の犯罪 稀少性の経済から過剰性の経済へ 佐伯啓思著

日本の緊急問題はデフレと雇用不安にあり、「構造改革」が長期的停滞の原因と断じる。それも、誤った「思想」を信じ続けるかぎり、危機からは脱出できないという。

経済学は、効率性の追求を最優先すべしという「価値」を選択させる。さらに競争主義、個人主義、能力主義、成長主義という価値にも囲い込む。だが、その価値への強制によって、人間のほうが奴隷になっているのではないか。

日本の活路を開く「か細い一本の道」は脱成長主義の社会へ向けた社会像を構想し、その方向へ向けた「公共計画」を官民協調の下で実現することだと、著者は強調する。経済学の源流や貨幣の誕生までさかのぼり、危機の本質とその脱出の方途に迫る。

講談社現代新書 882円

  

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