スクリューフレーション・ショック 永濱利廣著
豊かさを実感できない社会の到来は日本ばかりではない。米国では「スクリューフレーション」となって、発生しているという。スクリューフレーションとは、中間層の貧困化(Screw−ing)とインフレーション(Inflation)を組み合わせた造語で、米国のファンドマネジャーが命名したものだ。
世界経済のグローバル化・一体化、技術革新、非正規雇用の普及という三つの大潮流に、金融緩和、急成長新興国のインフレ、食料・エネルギー価格上昇が加わって、この脅威にさらされるというのだ。
では日本はどうか。失われた20年を経て中間層の貧困化は深化し、スクリューフレーションが起こりかねないどころか、すでにその門口に至っている可能性さえあるという診断だ。どのようなシナリオを描けば、この貧困化と、地方ほど打撃が大きい物価の二極化を食い止めることができるか。気鋭のエコノミストの一味違う日本経済論だ。
朝日新聞出版 1470円
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