ソニーの新兵器「プレステVR」は"別格"だった VRディスプレイの本命は他社と何が違うのか

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バーチャルリアリティディスプレイとしては、現在もっとも目にする機会が多いOculus Riftの開発者版は、2012年以来、これまでに6万台近くを販売。近く発売される製品版は「年内に500万台が売れる」とクレディ・スイスのアナリストが予想するなど大きな期待が寄せられていたが、開発版の350ドルに対して大幅に販売価格が上がってしまった。

これは、バーチャルリアリティディスプレイ側に、自然な仮想現実世界を見せるために必要な画像処理を加える機能を持たせる必要があり、コストが上昇したためと考えられる。

PS4はすでに世界に3600万台もある

発売のタイミングで多くのゲームタイトルがそろうことになりそうだ(写真:REUTERS/Noah Berger)

注目を集めたのは、価格だけではない。ゲーム開発会社の目がPSVRに向かうのは当然で、パソコンよりも裾野の広いユーザー層に接することができるからだ。

PS4はパソコン向けゲームの開発環境とも親和性が高いため、最終的にはPS4とパソコンの両方に同じゲームが提供されることになるはずだ。だが、遊ぶための環境整備というハードルはPSVRのほうが圧倒的に低い。まったく新しいデバイスを普及させる上で、最初の一歩を踏み出すハードルの低さは、大きなアドバンテージだ。

PS4は現時点ですでに3600万台をグローバルで出荷している。人気ゲームのPSVR対応が目白押しとなれば、既存のPS4オーナーが飛びつくだけでなく、PSVRを使うためにPS4を購入する消費者も増える。

PSVRの投入は、最新コンソールゲーム機市場におけるSCEの優勢を、より決定的なものにするだろう。

本田 雅一 ITジャーナリスト

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ほんだ まさかず / Masakazu Honda

IT、モバイル、オーディオ&ビジュアル、コンテンツビジネス、ネットワークサービス、インターネットカルチャー。テクノロジーとインターネットで結ばれたデジタルライフスタイル、および関連する技術や企業、市場動向について、知識欲の湧く分野全般をカバーするコラムニスト。Impress Watchがサービスインした電子雑誌『MAGon』を通じ、「本田雅一のモバイル通信リターンズ」を創刊。著書に『iCloudとクラウドメディアの夜明け』(ソフトバンク)、『これからスマートフォンが起こすこと。』(東洋経済新報社)。

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