ソニーの新兵器「プレステVR」は"別格"だった VRディスプレイの本命は他社と何が違うのか

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デモを楽しむカンファレンスの来場者(写真:REUTERS/Noah Berger)

熱狂の理由。それは、バーチャルリアリティディスプレイが、コンピュータゲームの世界を根本的に変えてしまう大きなイノベーションになる可能性を秘めているからだ。

これまでのコンピュータゲームは、SCEが3Dグラフィクスをゲーム機の世界に持ち込み、それまでとは違う体験をもたらして以来、より高精細なグラフィクス、より早いフレームレート(画面書換頻度)、より現実に近い映像や物理シミュレーションなど、”高品位”を求めて同じ軸で進化を繰り返してきた。今ではSF映画の世界にネットワークで接続して遊んでいるかのような、質の高いゲーム環境を手軽に入手出来るが、一方でマンネリにもなってきている。

しかし、バーチャルリアリティは違う。グラフィックスの質ではなく、プレーヤーの体験そのものを疑似的に作り出すことで、従来のゲーム体験とはまったく異なる質の愉しさをもたらしてくれる。本誌読者の多くはバーチャルリアリティディスプレイを体験したことがないだろう。しかし、一度体験すればすべてを理解できる。

コンピュータゲームという産業にかかわるクリエイターが、バーチャルリアリティに注目するのは、ごく自然な流れと言える。

圧倒的に価格が安い

2本のスティックを手に持ち、それを動かすことでゲームを楽しむ(写真:REUTERS/Noah Berger)

その中でもPSVRに注目が集まっているのは、SCEが丁寧にゲーム開発者コミュニティと接してきたことも理由だろうが、決定打になったのは本体価格だと思われる。発表された価格はPS4本体よりも約1万円高いものだったが、実は他のバーチャルリアリティディスプレイに比べると格段に安い。

Oculus Riftは599ドル(日本から注文した場合の価格は8万3800円。送料を含めると9万4600円)、HTC Vueは799ドルだ。つまり、HTC Vueを購入する予算があれば、差額に少し足す程度でPS4本体が買えてしまう。

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