ソニーが「アニメ事業」に全力を上げるワケ スマホゲームの大ヒットで期待度急上昇中
モンスターストライク(ミクシィ)、パズル&ドラゴンズ(ガンホー・オンライン・エンターテイメント)、ディズニーツムツム(LINE)――。
現在、日本のスマホゲームで売り上げ金額の大きい上位3アプリ(iOS・アップストアのランキング)がこれだ。これらのゲームを遊んでいなくとも、テレビCMなどで名前を聞いたことがある人も多いだろう。では、その次の4位に来る「Fate/Grand Order」(フェイト・グランドオーダー、以下FGO)をご存じだろうか。
FGOはいわゆるアクションロールプレイングゲーム。「人類の決定的な絶滅を防ぐために設立された特務機関・カルデアに属する主人公が、英霊を操り、謎を解明していく」というストーリーだ。2015年のリリース以降、一貫してスマホゲームの売り上げランキング上位を維持している。
ソニーの収益に大きく貢献
このゲームの大ヒットで笑いが止まらないのが、ゲームを制作したアニプレックスを子会社に持つソニーだ。アニプレックスはソニーミュージックエンタテイメント傘下で、アニメやゲーム制作を手掛ける。2月の決算発表会見ではFGOについて「大きな収益貢献を果たしている」と吉田憲一郎CFO(最高財務責任者)が大まじめに紹介した。
これまで表舞台にはあまり出てこなかったが、ソニーの中でアニメ事業を担うグループ企業は多い。アニプレックスに加えて、A-1ピクチャーズ、アニメ番組専門の有料チャンネルを運営するアニマックス、アニメ映画を制作するソニーピクチャーズアニメーションなどが音楽や映画といった事業セグメントをまたぎ、点在している。
中でも、冒頭のFGOの制作に携わったアニプレックスの存在感は大きい。ほかにも「銀魂」「NARUTO」「3月のライオン」といった有名アニメタイトルを多く抱え、ソニーの音楽事業の売上高の2割弱を稼ぐ。
ソニーといえば、スマートなAV機器を世に送り出すメーカーというイメージが強い。アニメ事業を担うグループ会社はソニーの名を冠さない会社も多く、いわば傍流だった。しかしここ最近、アニメ事業はソニー全社の中でも大きな期待を寄せられているのだ。
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