テレ東がアニメと深夜ドラマ配信で稼ぐワケ 「NARUTO」「孤独のグルメ」などが業績を牽引

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テレ東の本社は11月までに神谷町から六本木の住友不動産グランドタワーに移転。分散していた部署などを集約している(撮影:梅谷秀司)

今年の4~9月期は、テレビ業界にとってさまざまな変化が見られたタイミングだった。視聴率においては、熊本地震やリオ五輪の影響などでNHK(11.8%)がゴールデン帯(19~22時)のトップに躍り出た。広告収入でも、特定の番組と関係なく放映する「スポット広告」において、テレビ朝日が開局以来初めて民放2位を獲得している。

こうした中、テレビ東京ホールディングスも意外な好決算をたたき出した。五輪関連の制作費や本社移転費用を含むため営業利益は前年同期比19.3%減の32億円だったが、従来の業績予想を10億円ほど上回り、通期の業績予想も上方修正している。

得意の深夜ドラマが配信でも人気

好調の要因は、テレビ広告収入を順調に伸ばしたことに加えて、アニメやドラマなど「ソフトライツ収入」が大幅に拡大したことだ。ライツ事業全体では、絶好調だった前年同期の93億円からさらに伸ばし、25%増の116億円としている。

内訳を見てみよう。アニメ以外の番組による「ライツ一般収入」は前年の13.6億円から26.8億円にジャンプアップ。アマゾンの動画サービス「プライム・ビデオ」と連動したドラマの配信権料が収益に大きく貢献した。そのほかAbemaTV(アベマティービー。テレビ朝日とサイバーエージェントの合弁によるネットテレビ局)など、動画サービスを展開するプラットフォーム各社へのコンテンツ配信収入が増えている。

作品としては「昼のセント酒」や「徳山大五郎を誰が殺したか?」などをアマゾンで独占先行配信。「孤独のグルメ」や「勇者ヨシヒコ」シリーズといった、テレ東が得意とする深夜ドラマも配信を拡大し、人気を博している。一般的に、ネットの動画配信サービスはテレビの視聴者よりもユーザー層が若いのが特徴だ。テレ東の深夜ドラマはそうした若い層から支持を得ているようだ。

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