■イケメンはジェンダーを超える?
ウェブサイト上には、一見男性向けであるこの商品が、女性が使用するとどんなスタイリングに使えるかというコンテンツがしっかり存在しているのである。
この製品、メインターゲットは男性であろう。しかし、明確にサブターゲットとして女性を設定している、つまり「ターゲット2倍化作戦」をとっているのではないか。しっかりスタイルが決められて、しかも動きが出せて、何度でも直せるという製品特性は、確かに女性のスタイリングにも最適だ。
女性自らが認知して、試して、購入するというパターンももちろんあるだろう。だが、それ以上に男性から、女性から、相互にオススメが発生するように設計がなされているのではないかというのが筆者の仮説だ。
イケメン四天王のCMで男性、女性双方のAttentionを獲得しておく。そこにWebサイトで製品にInterestを持った男性から「これ、いいかも!」と紹介させるというコミュニケーション。オリジナルCM動画も「オレ、こんなの作ったから見てみて!」と男性から女性へアプローチさせるのにピッタリなツールとして仕掛けているとも考えられる。勧められた女性もCMで認知しているし、店頭で見てみれば、赤・白・水色と3タイプのきれいな商品パッケージは魅力的に映る。
商品に触れたブログやネット上の書き込みでは、「"女性の方もどうぞ"とのことで私が使います」「POPを見て衝動買い。女性もいけそうです」などのコメントが寄せられており、女性たちの間にも浸透していることがうかがえる。
反対に、イケメンたちのファンである女性たちは、「ブッキーや旬が使っているこれを彼氏にも使ってほしい」と、男性に勧めたり、強引にプレゼントしたりすることだろう。CMで商品を認知して気になっていた男性は、「そんなら使ってみるか。彼女も喜ぶし」となる。
実際に妻夫木聡や小栗旬などのファンブログをのぞいてみると、「CMがかっこよくて買ってしまいました。彼氏にプレゼントしちゃいます」「これで息子も妻夫木君になれるかも」などと、女性→男性のコミュニケーションは駆動していることが確認できる。
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