もちろん、これは「相関関係」があるというだけで、起業家教育を実施すると学力が向上するという「因果関係」があるということではありません。
経済産業省の「起業家教育の普及に関する検討会」の藤井千春座長(早稲田大学教育学部教授)は、次のように分析します。
「総合的な学習やアクティブ・ラーニングへの取り組みに意欲的な県では、起業家教育への取り組みも活発です。そのような県の教師たちに、起業家教育がアクティブな学習活動を実践する機会を提供し、結果として全体の成績や国語Bの得点を引き上げているということでしょう」
因果関係はあるのか?
では、実際の「因果関係」の観点に立つと起業家教育には、どのような効果があるのでしょうか。経済産業省アンケートでは、実際に起業家教育を実施した先生方の意見として、次のような成果が明らかになりました。
・創造性・探究心が高まった (同、小学校82% 中学校74%)
・自信・自己肯定感が高まった (同、小学校71% 中学校68%)
・何のために学ぶのかへの理解が高まった (同、小学校81% 中学校84%)
・進路への関心・意欲が高まった (同、小学校70% 中学校85%)
これらの項目は、学力を築く上での基礎となる要素であり、ここに明確な効果が見られているということは、学力の向上にも繋がっている可能性が高いと考えられます。
起業家教育で得られた、チャレンジ精神、自信、やる気は、学力を含む、児童・生徒の「生きる力」の強化に繋がっていると言えるのではないでしょうか。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら