「人をたてる」名人になれば万事うまくいく!

キーワードは「自己重要感」だった

たとえば、「お正月にハワイに行ってきた」と言われたら「えっ? ハワイに行ってきたんですか?」、「スポーツジムに通いはじめたら3キロ痩せました」と言われたら「えっ? 3キロ痩せたんですか?」と、話す側の言葉を反復します。これは「あなたの話に興味を持っていますよ」という無言のメッセージです。相手の言葉を反復するだけで、話す側の自己重要感は高まっていくのです。

会話の工夫で相手を立てる

農民出身でありながら、天下人まで大出世した人物、豊臣秀吉。出世にいたるまでにはさまざまな背景がありますが、私は彼が人を立てる名人であったことが関係していると考えています。

一例として、秀吉が主君・織田信長から大名に取り立てられるにあたって、木下藤吉郎という名前を改名したときのことを挙げましょう。彼は重臣たちが居並ぶ前で、信長に次のように申し出ました。

「ここにいらっしゃる柴田勝家様と丹羽長秀様は、私にとってとても優秀な先輩です。このお二人にあやかりたいので、柴田様の『柴』の字と丹羽様の『羽』の字を頂戴したいので、これからは羽柴の姓を名乗りたいと思います」

重臣たちから見れば、農民の出の秀吉がスピード出世していくのは、決しておもしろいことではありません。しかし、「先輩たちにあやかりたいので、名字を一字ずつください」と言われれば、悪い気はしないものです。「敬われたい」「重要な存在でありたい」という自己重要感が満たされ、気分が良くなったことは間違いありません。

このように、他人から好かれる人というは、相手の自己重要感を高める言葉を会話で用いているものです。会話にほんの少しの工夫を凝らすだけで、相手の自己重要感をいくらでも高めることができるのです。

工夫といっても、難しいことはなにもありません。たとえば、「ありがとう」という言葉です。

「ありがとう」は、感謝やお礼の言葉であると同時に、「あなたは価値のある存在の人です」「自分にとって大切な人です」という相手の存在感を認めるメッセージも込められています。「ありがとう」という言葉を口にするだけで、相手の自己重要感は高まるのです。

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