日産が抱く野望とリスク、究極のエコカーをついに披露
ついにベールを脱いだ。日産自動車は8月2日、2010年から発売する電気自動車「リーフ」を初公開した。
「『葉っぱ』って単純かもしれないけれど、いい名前。グリーンだし、形が優しくて空気力学的でもある。リーフの窓の格好も葉っぱのように見えると思う」(中村史郎・デザイン担当常務)。
風切り音と空気抵抗を低減するためにヘッドランプはボディからぐっと突き出しており、後ろ姿も独特の印象を残す。充電リッド(ふた)がフロント真正面にあるのも特徴的だ。ガソリン車は燃料タンクのある後方にしかリッドを配置できないが、「電気自動車なら極端にいえばルーフ(屋根)につけたっていい。デザインの自由度はとても高い」と中村常務は目を輝かせる。
カルロス・ゴーン社長の運転で、小泉純一郎元首相を助手席に、長身の中田宏・横浜市長らを後部座席に乗せて登場したリーフ。大人5人がゆったりと座れる居住空間も売りだ。航続距離は160キロメートル。長く走る米国人でも1日160キロメートル以下が9割だから、まずは十分といえる。
分離分割方式の勝算
注目の価格はこの日も明らかにされなかったが、ゴーン社長はかねて「(政府補助を合わせれば)従来の車と同じくらい。2~5%の差に収まれば」と発言している。カギとなるのは、車両のみを販売し、バッテリーはリースするという分離分割方式だ。
1キロメートル走るのにガソリンだと10円程度かかるが、電気は夜間料金で充電すれば1円で済む。差額の9円をリース代として支払っても、消費者の負担感はガソリン車と変わらない。
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