日産が抱く野望とリスク、究極のエコカーをついに披露 

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日産側が手にするリース料も、一般的な自動車の保証基準である15年/24万キロメートルを走ったとして、9円×24万キロメートル=216万円。リチウムイオン電池は1基200万~300万円といわれ、使用後の電池をビルの予備電源などとして転売すると考えれば十分に採算は合う。 

国や地域によっては、日産の描く分離方式が素直に適用できるかはわからない。たとえば日本の車検制度。車両1台をユーザーと日産とが分割して保有する場合、検査責任はどちらに帰属するのか。残価設定ローンのように所有権が販売側に残る方式ならクリアできるのか。今後、何らかの調整が必要になりそうだ。

ゴーン社長は、CO2をまったく排出しないゼロエミッションこそ究極のエコカーだと強調してきた。

リーフ発表当日も「ガソリン車とハイブリッド車はどちらも喫煙者。2箱吸うか10本なのかの違いにすぎない。これに対し、電気自動車はノンスモーカー。混同しないでほしい」とくぎを刺し、電気自動車は20年ごろに市場の1割を占めると、前途洋々たる未来を描いてみせた。

09年度の想定市場で計算すると年間540万~600万台になる。「原油が今後1バレル=10ドルになる、あるいは環境規制が緩和されると思うなら、電気自動車に賭けてはいけない。しかし私はそう思わない」(ゴーン社長)。 

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