一度はどん底を見た「通天閣」が復活したワケ 高さ103メートルの塔は、なぜ蘇ったのか

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西上社長は、「大阪のコテコテのノリを活かして、ナニワの地域活性化に貢献したい」と仰います。

その思いから、関西4タワーの「共通展望券」を発売しました。梅田空中庭園展望台、京都タワー、神戸ポートタワー、そして通天閣の4タワーに入場でき、全てを上ると記念メダルをもらえます。これも色は“ゴールド”です。塔と言えば、例の「通天閣ロボ」が、全日本タワー協議会に所属する全19塔に挨拶回りする、というおもしろい企画もありました。

新世界の魅力もアピール

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西上社長と通天閣

通天閣ではまた、Google MAPならぬ「新世界Gookulu(ぐっとくる)MAP」を配っています。都会にあるのが珍しい「天王子動物園」、2度づけ禁止の串カツ店が並ぶ「ジャンジャン横丁」、大阪唯一の路面電車「阪堺電車」など、新世界ならではの“こてこて”を紹介しています。

若者や外国人観光客で賑わっていますが、昭和ノスタルジーの雰囲気は今も健在です。そして、このサブカルチャーの聖地の中心に、通天閣がでんと構えているのです。

以前、東京のテレビ局のスタッフがボクの事務所に来られた時、「ぜひ、通天閣の前で自転車に乗っているところを撮らせてください」と言われました。「そんな人がいっぱいのところ、普段、走りませんよ」とお断りしようとしたら、「東京なら渋谷と新宿、大阪なら通天閣と道頓堀でないと、全国の人が納得しません」と言われました。それほどに、通天閣は大阪の顔なのです。

高さ103メートルと、周辺の高層ビルとも変わらない通天閣ですが、大阪らしさを打ち出すことで、東京や京都とは違うディープな観光客を呼び寄せているのです。

竹原 信夫 日本一明るい経済新聞 編集長

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たけはら のぶお / Nobuo Takehara

有限会社産業情報化新聞社代表取締役(日本一明るい経済新聞編集長)。1971年3月、関西大学社会学部マスコミ学科卒、同年4月にフジサンケイグループの日本工業新聞社に入社。その後、大阪で中小企業担当、浜松支局記者などを経て、大阪で繊維、鉄鋼、化学、財界、金融などを担当。1990年4月大阪経済部次長(デスク)、1997年2月から2000年10月末まで大阪経済部長。2001年1月に独立、産業情報化新聞社代表に。年間約500人の中小企業経営者に取材、月刊紙・日本一明るい経済新聞を発行している。
 

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