一度はどん底を見た「通天閣」が復活したワケ

高さ103メートルの塔は、なぜ蘇ったのか

通天閣をシンボルとする新世界は、インバウンドの観光名所にもなっている(写真:Barman / PIXTA)

グランフロント大阪、アベノハルカスと大阪に新しい顔が登場する中、大阪のシンボルタワー通天閣の健闘ぶりが目立ちます。各地から観光客を呼び寄せ、朝の9時には、もうお客さんが並んでいます。交わされる会話は大阪弁でなく標準語。インバウンドの外国人も大勢います。えらい人気です。年間来場者数は104万人(2014年度実績)にもなります。

この通天閣を運営するのが、通天閣観光(従業員20名)です。西上雅章社長は、つらい時期を思い出してこう言います。

「今でこそ元気になりましたが、暗黒の3K(汚い、暗い、こわい)時代がありました。事務所の割れたガラス窓、お金が無くてベニヤ板を張ってました」

活路は「高さ」ではない

1975年には、年間来場者数がピーク時(1956年155万人)の1割強の19万人という惨状でした。累積赤字も5000万円にのぼり「通天閣は立っているが、会社は倒れそうでした」と振り返ります。

そんな中、西上社長の父親が再建に乗り出しました。新体制下、直ぐに単年度黒字を達成。そして父の後を引き継いで、2003年からは雅章氏が社長に就任します。最初の役員会で、「高さを売る時代は終わった。何を売る? 思い出とオモロさを売らなアカン」と宣言します。明治45年以来の長い歴史、そして大阪らしさであるオモロさに活路を見出そうと考えたのです。

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