リスクマネジメントのやり方を知ってはいても、洗い出されなかったリスクに対してはなす術がなく、「想定外でした」ということになってしまいます。想定外をいかになくすかがリスクマネジメントの肝です。前述したように、関係者で集まって多面的に考えるのももちろん必要ですが、もうひとつ私がチャレンジをする時のリスク洗い出しについてご紹介します。
個室にこもって徹底的に想像する
それはひとりで、徹底的にその仕事やプロジェクトがどう進んでいくのか、どんなことが起こりそうなのかをありありと目に浮かぶようにイメージすることです。メールや電話、ネットなどにつながらず、ほぼ完全に外と遮断された状況がよいでしょう。難しい仕事や、長期に渡るプロジェクトの場合には、ホテルにこもって徹底的に想像したこともありました。
コツはできるだけリアルに想像すること。たとえば、失敗している状況やお客様が怒っている表情や言葉なども想像します。よい状況も悪い状況も具体的にイメージできると、不思議と肝がすわり、実際にリスクが起こる前に予知できるようになり、たとえ起きたとしても「想定内」なので落ち着いて対処できます。
もし、仕事をする上で胸騒ぎや不安があるようだったら、それを文章で書いてみてください。書くことによって、対応できること、できないこともわかってきます。自分が対応できることに集中できるようにするのは、「何だかよくわからないけど、リスクが高そうだからやめておこう」という消極的な回避を防げます。
大勢で多面的にリスクを考えるのももちろん必要なのですが、どこかで「あの人がああ言ったから、これで全部だろう」など、他人事になってしまうこともあります。誰がなんと言おうと、自分が当事者としてどれくらい意識を高められるのかは、リスクを減らす上で実はいちばん大切なことなのです。
「リスクを制するものはチャレンジを成功させる」。問題が起きた時も余裕の笑顔で「安心してください。織り込み済みですよ」と言えるようになるといいですね。
次回はキャリアアップに必須の、自分を成長させる表技・裏技についてご紹介します。
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