「ミッションインポッシブル」を制す人の思考 「すべて織り込み済み」な人は誰よりも強い

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さらにイメージを持っていただくために、ある例でリスクの洗い出しと対応策について考えてみましょう。

たとえば、社長が「これからはワークライフバランスが重要だ。社員全員好きなだけ在宅勤務できるようにする」と言いだし、自分は人事部としてこの施策を推進する立場になったとして考えてみましょう。

4つのステップを実践してみる

まずはリスクの洗い出しです。全社員ですからかなり広範囲に渡るリスクが考えられます。関係先だけでも、社員、管理職、管理部門、経営層、顧客、取引先、マスメディア、家族、これから入社を考えている新卒・中途採用者などがあがるでしょう。まずは関係者ごとにリスクを洗い出してみるとよいでしょう。

たとえば、社員関連のリスクとしては、コミュニケーションミスの増大、さぼり、企業や組織への所属意識が弱まり離職率が上がる……などが出てくるでしょう。管理部門のリスクとしては、勤怠管理などのシステムや制度、人事評価、コミュニケーション、オフィスをどう設計しなおすのか……などが考えられますね。このように関係者毎にリスクを洗い出していきます。

次に、リスクを評価し、4つの対応方針のどれにするかを決めていきます。たとえば以下のような感じです。

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各リスクを評価し、対応策を練る

最後は担当者を決めて、リスクを関係者の定例会などで共有していきます。このようにあらかじめリスクを洗い出し、対策を決めておくと、リスクに早く気づき、対応をとることができるようになります。たとえば表の例でいくと、社員がずっとWebの掲示板で会社の批判をしているようなことも見つけやすくなるでしょうし、仮に問題として顕在化した場合でも批判がエスカレートする前に鎮火にあたることができるでしょう。

また、システム面での対応が必要というような課題も先に発見できますね。自分が専門ではなく得意ではない場合には、開発ベンダーに対応を任せて転化するという対応策があります。他にも弁護士なども専門家として、リスク対応を一緒に考えてもらうとよいかもしれません。

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