(第22回)「四字熟語・故事ことわざ」で綴る就職支援・第九話『未内定者』

こだわりが障壁になる
ベターな選択を行うことが前進だ

 以上のような現実を冷静に判断すれば、みなさんの「内定獲得への障壁」が見えてきただろう。要は自分にとって“ベスト”だと思える選択をしようとして結果がついてこないのだから、ベターな選択へと選択肢を広げる必要がある。「入社できたら良いな」という企業ではなく、「確実に入社できる」企業へと目を広げることも大切だ。

 さて、ベターな選択とは何か?
 これは業界トップ企業ばかりではなく、中堅企業を探してみたり、大手有名企業の関連会社、グループ会社を研究し直してみるなど、志望企業の幅を広げて考えてみることを指す。こうした企業は学生の応募が比較的少ないため、大手有名企業と比べると、夏休みあたりまで採用活動をしているケースが多い。しかも、人物本位・面接中心の採用活動をするところが多いため、これまでの経験を振り返って修正すべき点を修正して、選考に臨むことにより、チャンスはめぐってくる。

 なお、企業の探し方だが、今の時期は各大学の就職課・キャリアセンターに求人票を送っているところを狙うことだ。各就職ナビは他大学の学生も見ているに決まっている。各大学への求人票を送付する企業側の意図は「その大学の学生がほしい」という点であることに気付いてもらいたい。利用しないのは『宝の持ち腐れ』になってしまう。

 また、これまで「営業職は厳しい」と敬遠し、スタッフ職などを志望していたのなら、敬遠していた営業職にも目を向ける必要がある。そもそも企業の新卒採用の多くは文系の場合、営業職となる。営業職はその企業の製品やサービスを市場に届けるために、企業の最前線で活躍する仕事だ。もちろん、ノルマという各社の業績目標は存在する。説明会などで「貴社はノルマがありますか?」などとトンチンカンな質問をしてくる学生がいる。だが、ノルマとは各社の、当該年度に到達すべき目標と置き換えられる。となれば、ノルマと呼ぶかは別にして、業績目標(営業目標)がない会社は存在するはずもないだろう。しかも、そのノルマを前年より高めに設定しなければ、当該企業の社員の給料やボーナスは増えるはずもない。

 要は、目標をクリアするための工夫やアイデアが、その企業にあるかどうかを調べれば良いのだ。闇雲に「営業成績をあげろ」という企業のみを避けるようにしたらいい。このあたりは、志望企業の社員の生の声に耳を傾けてもらいたい。そして恐れることなく営業職に目を向けて欲しい。
 『木を見て森を見ず』といった就職活動から早く抜け出そう。物事の細部にとらわれて大局を見失ってはいけない。加えて『鶏口と為るも牛後と為る勿れ』ということわざを送りたい。小さな集団でもいいから、その中の長を目指してもらいたいのだ。
菊地信一(きくち・しんいち)
昭和27年仙台市生まれ。仙台一高、早稲田大学商学部卒業後、株式会社文化放送ブレーンを経て、平成2年より「現代職業工房」を主宰。この間一貫して人材採用をテーマに、採用戦略・計画に関するコンサルティングを行ってきた。企業と学生、両者を知り尽くした公正な立場に基づく本音のアドバイスは、企業セミナー、各種講演会でも好評を博している。『履歴書職務経歴書づくりの達人』(中経出版)、『就職活動のすべてがわかる本』(同文館出版)、『日経就職百科』(日経事業出版社)、『自己分析からはじめる就職活動 2010年度版』(日本実業出版社)、『キャリアデザイン入門』(光生館)など、就職関連の著書は45冊を数える。
現在、日本工業大学教授、北星学園大学非常勤講師、東北学院大学非常勤講師、コズモワールド顧問、文化放送キャリアパートナーズ学生支援部顧問キャリアアドバイザー、日本ジャーナリストセンター主任講師を務めるほか、講演・講義を行ってきた大学は85校にのぼる。
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