乱れた心を整える「スター・ウォーズの言葉」 心を打つのは、背景にある「禅の精神」だった

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また、早くジェダイになりたいルークに対して、「今」を見ていないとヨーダがルークをたしなめるシーンがあります。

これは「前後際断(ぜんごさいだん)」という禅語の教えと同じです。

「今」の大切さを説くヨーダ

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© &TM 2015 LUCASFILM

あれもしたい、これもしたい、あれをやらなければ、これもしなければ……など、いろいろなことを抱えていると、それぞれが気になってしまい、結局、そのいずれにも集中できません。

「この男の目は今ではなく未来ばかりを見ておる」というヨーダのセリフどおり、ルークは未来のことばかりに気を取られている。

未来ばかり見ているルークにジェダイになる資格がないと諭すヨーダは、「今」の大切さを教えようとしているのでしょう。

『スター・ウォーズ』には、「フォースと共にあれ(May The Force Be With You)」という有名なセリフがあります。そしてこの言葉はジェダイや同盟軍の合言葉のように、幾度となく登場します。「フォース」は、他者の心を読み取ったり、操ったり、また敵の攻撃をかわしたり、直接に触れることなくものを動かしたりしています。そして「フォース」は、修行を積んだものだけが操れるものとして描かれています。

これらを見て、私は「フォース」は「法力(ほうりき)」かもしれないと思いました。フォースとほうりき、偶然にも音も似ていますね。

「法力」とは、仏法を修行して得られた功徳の力。法力を使ったという伝説で有名なのは弘法大師です。弘法大師が杖をつくと泉が湧き井戸や池となった、といった伝承は今も日本各地に残っています。

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