駅係員の仕事は多岐にわたっており、改札などのほかに車いすの乗客サポートなども重要な仕事だ。京急では「売店販売業務」も駅係員の仕事に含まれているが、これは小さな駅に設置されている売店が対象。京急線の主な駅のホーム上などには「セブン-イレブン」もあるが、こちらの販売業務は駅係員の仕事ではない。
駅では泊まり勤務が基本で、朝10時から翌日の朝10時までというスケジュールが一般的だという。多くの場合は、泊まり明けの日は仕事のない「非番」、その翌日が休みというパターン。泊まり勤務の際は仮眠時間がある。休日は「4週8休」(4週間で8日休み)が基本となる。
京急ステーションサービスの市橋樹也旅客サービス部業務課長によると、一つの駅に配属されている期間は人によって異なるが「だいたい3年ぐらいは同じ駅にいることが多い」という。入社後のキャリアとして代表的なのは、やはり車掌、さらに運転士へといった乗務員へのステップアップだ。
必ずしも乗務員だけではなく、駅係員として勤務する社員もいるが「社員には乗務員を目指して、いろいろな経験を積んでステップアップしてほしいと言っている」(市橋さん)という。
乗務員への道は「駅で頑張ること」
乗務員を目指す場合は、駅係員を2年以上経験した後に「乗務員登用試験」に挑むことになる。この試験に通ると、見習いや研修を経たのちに今度は車掌になるための試験を受け、通過すれば晴れて車掌として列車に乗務することになる。車掌として一定の経験を積むと、今度は運転士へのステップアップが可能になる。乗務員登用試験は今年度は2回あったが、これは乗務員の採用人数によって異なるという。
「乗務員登用試験」は乗務員になるためのステップとしての試験で、特別な勉強をしなければ通らないわけではなく「駅での業務でしかるべき知識を身につけていれば問題ない」という内容。受験するためには上長からの推薦も必要になるため、駅係員としての日ごろの勤務が重要になる。
「駅は鉄道員の仕事の入り口であり、お客様にとっても鉄道の入り口となるところ。鉄道の仕事は、初心を忘れずお客様に接する情熱が必要」と、京急電鉄総務部広報課の飯島学さんはいう。
乗務員になった後のキャリアはさまざまだ。京急ステーションサービスが駅業務を受託してからまだあまり年月が経っていないため、同社に入社して鉄道マンとしてのキャリアをスタートした人ではまだ例はないものの、京急電鉄本体で駅係員を採用していた際に入社した社員では、乗務員の経験を積んだあとで再び駅の業務に就き、今度は「営業主任」や「助役」として勤務する例もある。もちろん、乗務員として運転関係の業務を続ける道もある。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら