新幹線の「トロリ線」張り替え作業に密着した

安全のかなめ「架線交換」を初めて昼間に取材

新幹線の「トロリ線」を張り替えるための保守用車両。車両の台の上に乗って作業する

走る姿がめったに見られないことから「幸せの黄色い新幹線」とも呼ばれる「ドクターイエロー」。走りながら線路などの状態を検査するこの車両の仕事の一つが「架線」の状態の確認だ。線路の上空に張られ、電車に電力を供給する重要な役割を担う架線だが、ひとくちに「架線」といっても、実際には支柱からつり下げる部分の「吊架線」をはじめ、いくつかの部分に分かれている。

このうち、パンタグラフに接する「トロリ線」は高速走行する車両のパンタグラフとの接触によって磨耗していくため、張り替え作業が日々行われている。終電後から始発までの限られた時間に行われるのが一般的なこの作業が、2月上旬に東海道新幹線で、昼間としては初めて公開された。

「ドラム」で数えるトロリ線

この日トロリ線の張り替え作業が行われたのは、三島駅付近にある三島車両所の構内。新幹線車両を停めておくための場所だ。今回作業に当たるのは、JR東海の静岡地区の電力担当社員31人。日ごろの工事は協力会社が行い、JR東海の社員は監督などを担当するが、緊急時の対応などが可能なよう、年に数回は社員自らが作業を行っているという。

東海道新幹線の東京~新大阪間は約515km。トロリ線は木製の「ドラム」に巻いてあり、1つのドラムあたり1500mの長さがある。全線で必要なトロリ線は、同社によると「1000ドラム以上」。本線での張り替え作業は終電から始発までの間に行わなければならず、さらに交換現場への行き帰りの時間も必要なため、作業ができるのはおおむね一晩にドラム一つ分だ。10年ほどの寿命があるとはいえ、基本的には年中どこかで作業が行われていることになる。

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