巨大用船ビジネス進水、意欲満々の日本郵船

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商船三井は慎重姿勢

商船三井にも話が二度あった。しかし「820億円の投資回収には15年前後かかるだろう。10年後の契約期間延長の条件を見ないとリスクが読み切れない」(商船三井幹部)と見送った。

一方、FPSO同様に資源掘削と輸送の中間領域に位置づけられるFSRU(浮体式LNG受入基地)には10年4月に参入する。LNG船で差別化を図るのが狙いだ。船上でLNG(液化天然ガス)を再ガス化し、数百メートルのパイプで陸上に送り込むFSRUは「LNG船を一部改造するだけで、数十億円の追加投資で済む。FPSOもやりたいが、1隻1000億円超とドリル船よりも値が張る」(商船三井の橋本剛LNG船部長)。

大胆な新事業を進水させた日本郵船と川崎汽船だが、異例の長期プロジェクトはブラジルで快走するか。

■日本郵船の詳細はこちら

 

 

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山田 雄一郎 東洋経済 記者

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やまだ ゆういちろう / Yuichiro Yamada

1994年慶応大学大学院商学研究科(計量経済学分野)修了、同年入社。1996年から記者。自動車部品・トラック、証券、消費者金融・リース、オフィス家具・建材、地銀、電子制御・電線、パチンコ・パチスロ、重電・総合電機、陸運・海運、石油元売り、化学繊維、通信、SI、造船・重工を担当。『月刊金融ビジネス』『会社四季報』『週刊東洋経済』の各編集部を経験。業界担当とは別にインサイダー事件、日本将棋連盟の不祥事、引越社の不当労働行為、医学部受験不正、検察庁、ゴーンショックを取材・執筆。『週刊東洋経済』編集部では「郵政民営化」「徹底解明ライブドア」「徹底解剖村上ファンド」「シェールガス革命」「サプリメント」「鬱」「認知症」「MBO」「ローランド」「減損の謎、IFRSの不可思議」「日本郵政株上場」「東芝危機」「村上、再び。」「村上強制調査」「ニケシュ電撃辞任」「保険に騙されるな」「保険の罠」の特集を企画・執筆。『トリックスター 村上ファンド4444億円の闇』は同期である山田雄大記者との共著。

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