そう考えてみると、「自分自身を納得させたい」「ちょっと後押しが欲しい」という場合には、有効だとは思いますが、一方では危険もはらんでいます。それは、「自分にレッテルを張ってしまう」というものです。
たとえばこういった性格分類は、自分で自分の行動を制限してしまうことに繋がります。血液型による性格診断がいい例ですが、A型の人が「几帳面」と言われると「几帳面」な行動を意識し、実際に「几帳面」な行動をするようになるという、「予言の自己成就」的な循環を起こします。
いつもプラス方向に働けば問題はないのですが、マイナス方向に向かってしまう場合は厄介です。
また、問題になるのは、「あの人たちは○○タイプだから」というふうに、一掃してしまうことです。これはラべリングと言われる、いわゆる他人への「レッテル貼り」です。
「自分探しの旅」を楽しむ程度にとどめよう
「○○タイプ」とお互いを診断することは、職場での話題作りやコミュニケーションツールとして、いい面もあるでしょう。また、自分自身の存在を知ってもらいたい時などに、ある特徴を強く示すことによって、効果的にアピールすることもできます。
とはいえ、参考にする程度ならいいのですが、それらを絶対的なものさしと考えて「あの人は○○タイプだから、この仕事は任せられない」「私とは合わないタイプなので、一緒に仕事をしたくない」などの、短絡的な考えに陥ってしまうのは考えものですよね。
医療の現場で用いられる、科学的根拠に基づく心理テストも確かにありますが、世の中に出回っているものの多くは、そうではありません。妥当性や信頼性が保証されているものでないのに、仕事上の配置や、重大な決定、人間関係の排除には使用することは避けましょう。
人の性格やタイプは、単純に判別したり、区別したりできるものではありません。ただ、忙しい毎日の中では自分に向き合う時間をなかなか取れないので、診断結果をうまく活用すれば、自分がどんな人間なのかを考えてみるきっかけになるはずです。
自分探しの旅は、複雑で簡単には答えが見えないからこそ、奥深く、楽しいものです。あなたは「どのタイプにも属さない特別な感覚の持ち主」なのですから!
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら