”既得権益”崩壊は、マスコミ人の働き方をどう変えるか?《若手記者・スタンフォード留学記 38》

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(3)完全独立型 --フリー記者・編集者・ディレクターなど

<リスクとリターンの関係>
 現在:ハイリスク・ミドルリターン → 将来:ハイリスク・ハイリターン

<特徴>
 成功すれば高い知名度や報酬を見込めるが、雇用・収入の安定性は低い。ただ、ITの発達(サイト運営費の激落、ブログ、メルマガの登場など)により、リスクは下がっている。

今現在、フリーになっている人は、よっぽど実力のある人か、勇気のある人か、もしかしたら無謀な人なのか。リターンの割にリスクが高すぎます。利回りが3%しかない、ロシア国債みたいなものです(これまた現実にはありえません)。

立花隆氏の本を読むと、「原稿料が安くて、書いても、書いても、生計を成り立てるのが大変」というグチが出てきます。そんな話を聞いて「立花さんみたいなフリージャーナリストになりたい」と憧れる若者はいないでしょう(笑)。

一方で、テレビやCMを中心に活動する芸能人的なジャーナリストになる道もあります。が、そのように広告出演でお金を稼ぐのは、ジャーナリストとしては邪道です。少なくとも、プロのジャーナリストからは軽蔑されます。

講演会も金銭的なワリはよいですが、講演ばかりしていると、情報のインプットがおろそかになり、足腰が弱くなって、ジャーナリストとしての寿命を縮めてしまいます。それに、同じことばかり話していると、次第に飽きられます。

ただ、こうした構図が、IT技術の進化によって変わってきています。

最近増えてきているのが、メルマガで安定収入を得るジャーナリストです。自分のファンから直接少額のお金をもらうわけです。オバマ大統領が、インターネットを使って、小口献金をかき集めたのと似ています。

コラム系としては、勝谷誠彦氏、日垣隆氏、国際情勢系としては、田中宇氏、青木直人氏などが挙げられます。

たとえば、購読料を月500円として、1000人の購読者を集められれば、「月500円×1000人=月収50万円」。この収入は、(購読者が急減しない限り)安定的ですから、精神的にもラクになります。

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