命の沙汰もカネ次第? がんの重粒子線治療300万円……先進医療の使い勝手



有効性認められても高額費用がネックに

実際の患者の負担はどうなるか。厚労省調査によると、07年7月~08年6月に448施設、9579人の患者がこの制度を利用。費用総額は約100億円で、うち患者がすべて負担する医療技術は約46億円、入院費など保険が適用される治療費が約54億円だった。この54億円のうち患者負担3割を除く約38億円が健康保険から給付される。全額自己負担に比べ、患者負担は3~4割軽くなる。

先進医療技術の内容を見ると、重粒子線・陽子線などの放射線治療や、内視鏡を用いた新しい術式など、がん治療関連が目立つ。ほかにも家族性アルツハイマー型認知症をはじめ難病の遺伝子診断や、移植手術、血管再生治療など種類はさまざまだ。

技術の内容によって費用もピンキリだ。厚労省調査から推計すると、悪性脳腫瘍向け抗がん剤治療のために遺伝子を解析する検査は平均3万0300円、家族性アルツハイマーの遺伝子診断は6万2400円。一方、固形がんに対する重粒子線治療は308万円、陽子線治療は285万円と、簡単には手が出せない。

重粒子線治療を行う重粒子医科学センター病院(千葉)のパンフレットによると、がんが縮小した、あるいは成長が止まった「局所制御率」は、早期の非小細胞肺がんの3年局所制御率で90%以上、前立腺がんでほぼ100%と有効性は明らか。費用面こそが最大の問題点だ。


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