体感型理数ミュージアム・リスーピア、素人目線が生む面白さが子供も大人も驚かせる

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 また、有料ゾーン(中学生以下無料)の来場者に発行されるID番号を使えば、パソコンでさらに詳細な説明やミニゲームが楽しめる特設サイトにアクセスできる。帰宅後も驚きと楽しさが反芻できるのだ。

リスーピアは中村邦夫・パナソニック会長が社長在任当時、「子供の理数離れを食い止めたい」と発案した。競争率20倍の社内審査で集められた技術者など6人を集め、05年春に準備チームが始動。そこでカギとなったのは意外にも“理数素人”の目線だった。

「僕が見て面白いものを作る。それが企画の議論の軸でした」。そう話す喜納厚介館長はチーム発足当初からの中核メンバーだが、文系の出身。それまでは製品展示施設を企画していた。「国内の科学館はどこも立派。理数っ子なら楽しくて仕方ないだろう。でも僕のような理数嫌いには高尚すぎて近寄りがたい」。この喜納さんの提案をもとに、チームは試行錯誤した。

素数ホッケーの“ネタ元”となったのは小川洋子著の人気小説『博士の愛した数式』。素数を偏愛する男性が主人公で、数学に関する知識が盛り込まれながらも幅広い層に読まれた。この小説の魅力を分析した喜納さんらは「数学は感覚が大事。ぱっと見て素数かどうかわかるような直感が身につけば面白いのでは」と考え、瞬間的判断が必要なエアホッケーと素数を結びつけたという。

玄人だけでなく素人も魅了するものにこそ普遍的な強さがある。リスーピアの人気はそう教えてくれる。

(週刊東洋経済)

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