国も電力会社も、「廃炉」への対応が甘すぎる 長崎大学・核兵器廃絶研究センター長に聞く
これに対しては、原発ごとに、市民参加型で情報を共有できる組織をつくることが考えられる。そこに行けば、規制当局や電力会社が、住民の質問や疑問に答えてくれる仕組みだ。原子力規制委員会を設置する時に国会の付帯決議として盛り込まれているが、実現していない。
海外にはこのような組織があり、非公式だが、国内にも似たような組織はある。国や電力会社が責任を持って組織し、信頼を醸成することが大切だ。
16年度に着手、工期は28年間。九州電力は昨年12月22日、玄海原子力発電所(東松浦郡玄海町)1号機の廃炉工程をまとめた計画の認可を、原子力規制委員会に申請した。計画では2016年度に作業に着手し、完了予定は43年度で工期は28年間。費用は約364億円と見込んでいる。
工程は4段階に分かれている。第1段階(約6年)で原子炉周辺設備の放射性物質による汚染状況を調査するほか、放射性物質に汚染されていない発電機やタービンなど2次系設備の解体に着手する。第2段階(約8年)で原子炉周辺の低線量設備を、第3段階(約7年)で原子炉容器や蒸気発生器などを撤去。第4段階(約7年)で建屋内の放射性物質を取り除き、最後に建屋を解体する。
廃炉で発生する廃棄物は約20万2千トン。このうち放射線管理区域から出る廃棄物は約7020トンあり、汚染レベルに応じて処分する。このうち、長期間の管理が必要となる約3千トンについては、現時点で処分場は決まっていない。放射性物質に汚染されていない約19万5千トンは、リサイクルするほか一般の産業廃棄物として処分する。
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