超有望市場?! 中国人向けにネットでモノを売るには--日本とは全然違うネット通販の嗜好と商習慣
金融危機の影響の波が、沿岸部の中国人消費者を中心にやってきた。彼らは「衝動買い」から「一歩引いて冷静に」購入するように心がけはじめている。その心がけも相まって、ネットを使いこなす10代後半から30代前半までの新しい中国人が、「より安く購入できる」と評判のオンラインショッピングを続々と利用し始めている。
中国のリサーチ会社「iReserch」が発表したレポート「中国網絡購者行業発展報告(China Online Shopping Reserch Report)」によれば、2008年のオンラインショッピングの取引総額は、07年の561億元(1元=約15円)の約2倍となる、1281億8000万元となった。
iReserchのこの先数年の予想も強気で、2010年には3869億元、2012年には7910億元まで成長すると予想している。そこまで強気でいいのかは筆者としては疑問符だが、しかし今後、巨大な市場になることは間違いないだろう。
中国のインターネットについての組織であるCNNIC(China Internet Network Information Center)によれば、2008年末の時点でインターネット利用者は2億9800万人で、そのうちの24.8%にあたる7400万人がオンラインショッピングを利用しているに過ぎない(前年同期は利用率22.1%、利用者4600万人)。
そもそもインターネットの利用者だって、全人口13億のうち、まだ3億人が利用するだけで、今後も増えることは間違いない。そうしたことから、今後数年はオンラインショッピング人口が増加、市場も拡大することとなるだろう。
そんな未来が明るそうな中国オンラインショッピング市場に、08年から日系企業も続々と参入している。中国市場に向けた日系オンラインショッピングサイトがどんどん増えている。たとえば、日本郵政(郵便事業会社)がサイト「JapaNavi」を、SBIベリトランスが「佰宜杰.com(バイジェイドットコム)」を、ニッセンが中国検索サイト大手の百度(Baidu)と提携し「百度日本の窓」をそれぞれ立ち上げている。
中国は市場が大きいだけに魅力的。だが、国が違えばまた商習慣・消費行動も大きく異なる。中国のオンラインショッピングサイトは数多くあり、その中にはamazon中国や、eBayといった世界的に著名なサイトの中国版もあるが、一番人気は、「淘宝網(TAOBAO)」だ。なんとオンラインショッピング取引額の9割以上を占め、圧倒的な地位にあるサイトだ。