超有望市場?! 中国人向けにネットでモノを売るには--日本とは全然違うネット通販の嗜好と商習慣

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 「日本向けの製品こそが、究極の日本製品」と思ってやまない中国人消費者は、たとえば日本ツアーで銀座や秋葉原に行ったついで、ないしはオンラインショッピングで、より信頼のおける日本向け製品を購入するのだ。銀座や秋葉原の実店舗では、中国人消費者は製品購入時に中身を念入りにチェックする。

それはちゃんと梱包物が全て入っているか、というのもあるが、Made in ChinaではなくMade in Japanなのかをチェックしているのだ。もちろん後者でなければ、喜んで購入してはくれない。すなわち「日本向けの日本製の日系メーカーの製品」が中国人にとって最も魅力的な日本製品なのだ。

オンラインショッピングでも、中国の地域による格差はある。ネットの流行の先端を行き、高所得な上海・北京・広東省などでは、日本向けデジカメや携帯電話、化粧品などは、所有できる人は既に購入済みだ。こういった地域では、日本で売られるサプリメントなどの健康商品や食品などに人気が集まり始めている。

一方で内陸の地方都市ではこれからが本番。今後、より多くの若者が魅力的なオンラインショッピングの世界に入り、日本向け製品が買えるという魅惑を知ることになるだろう。

日本に在住する中国人が、低いマージンで中国に転売する現状、日本の企業がそれに勝る魅力で中国にモノを売っていくにはどうしたらいいのだろう。

中国人は日本向け日本製品を「究極の日本製品」と思っている。ならば日本の工場(日本製)で日本向け製品を生産し、中国向けに輸出すれば、高いけれど売れるのではなかろうか。とはいえ関税もかかり高価な日本向け製品だけを中国に輸出し販売するのはリスキーだ。そこで中国市場には、日本向け製品の輸入と、中国向け製品の双方をラインアップしてみてはいかがだろう。

やまや・たけし
中国内陸部在住のIT専門ライター、中国のIT事情を中心に取材・執筆。著書に「新しい中国人 ネットで団結する若者たち(ソフトバンク新書)」。

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