中国富豪ランキング2008年版--バブル崩壊直撃で多くの富豪が資産激減
中国における富豪の資産状況をランキングした「胡潤百富」。世界の富豪の資産状況を調査し、ランキングしている米『フォーブス』誌のスタッフだったルパート・フージワーフ(中国名:胡潤)氏が独立後に作成を始め、発表を続けているものだ。中国には同種のランキングが複数あるが、「胡潤百富」は最も注目度の高いランキングの一つであり、毎年発表時期になると国内外の多くのビジネスパーソンの注目を集める。
◆中国富豪ランキング(クリックして表示)
・1−10位
・12−56位
・57−90位
・07年順位
1位の資産額は3分の1に急減
その最新版が昨年10月に発表された。2007年版は800位までのランキングだったが、今回は1000位まで対象が拡大され、資産額にして7億元、米ドルにして約1億ドル以上の富豪がランクインしている。
だが、一人ひとりは小粒となった。今回1位となった黄光裕氏の資産額は430億元で、2位、3位はそれぞれ杜双華氏の350億元、楊恵妍氏の330億元だった。しかし07年のトップ3は1位楊恵妍氏の1300億元、2位張茵一族の770億元、3位許栄茂氏の550億元と、まさに段違い。この1年で中国のバブルがいかに派手にはじけたのかがよくわかる。
今回ランクインした1000人のうち、前年対比で資産が減少したのが50%、資産を増やしたのが20%。前年は圏外で、新たにランクインしたのが30%となった。かなりの富豪が資産を減らし、圏外に去ったことになる。
今回ランクインした企業家の資産の合計は2兆9879億元で、これは07年の中国のGDPの12%に相当する。
07年度にランクインした富豪は、08年度より200人も少なかったにもかかわらず、その資産合計は3兆4452億元と08年度を軽く上回った。07年度と同じ800位までを集計すると、資産合計は2兆8183億元となり、やはり前年を割り込んでいる。
不動産関連の富豪の凋落が明らかに
07年にも見られる傾向だったが、不動産関連の企業家の資産の減少は引き続き明らかだ。上場不動産企業のオーナーである企業家の資産は平均で60%も減った。会社を上場させていない企業家でも、資産の平均減少率は30%に上る。
たとえば、前出の楊恵妍氏の資産は07年の1300億元から08年には330億元まで減少。落ち込み幅はなんと75%にもなった。