中国富豪ランキング2008年版--バブル崩壊直撃で多くの富豪が資産激減

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 その他に07年トップ10入りした不動産関連企業3人の資産減少率は60%を超え、大幅に順位を下げている。また、中国株式市場の株価暴落も富豪の資産に大きく影響している。07年に2位となった張茵一族は経営する企業の株価暴落の影響を受け、資産を590億元減少させ、ランキングも06年の1位、07年の2位から大幅ダウンの15位となった。

そこに追い打ちをかけたのが、昨年9月15日のリーマン・ブラザーズの経営破綻に始まる世界的な株価下落だ。実は、08年のランキングは昨年9月1日の株価をもとにしているため、「リーマンショック」を反映していない。

そのため、「胡潤百富」ではランキング上位20以内の上場企業オーナーを対象に、10月28日の株価を基準として株価下落の影響を加味した再集計を行った。

その結果は下表のとおり。ランキング上位10以内に入った上場企業オーナー8人の資産減少(=保有株の時価総額の減少)は946億元に達しており、減少率の平均は67・5%にもなった。

たとえば、中信泰富の栄智健氏の場合、保有株の時価総額減少率は85%に達した。中信泰富は昨年10月21日に、外国為替証拠金取引などの影響で巨額の損失が発生したと公表、損失額を147億香港ドルであるとした。これを受けて中信泰富の株価は急落。オーナーである栄氏の資産も大きく減ることになった。

富豪たちの転落劇はまだまだ続く。中国トップの富豪である黄光裕氏も保有株の減価に見舞われた一人だが、彼の場合は、リーマンショックを超える災難が待っていた。インサイダー容疑で司直の手にかかったのだ。

黄氏は家電量販店「国美電器」チェーンの拡大に伴って着実に資産を増やし、08年には04年、05年に続いて3度目となる1位の座を獲得した。しかし、昨年11月に黄氏は、製薬会社の山東金泰集団株に関するインサイダー取引疑惑で北京公安局に身柄を拘束された。山東金泰の筆頭株主は実兄の黄俊欽氏(08年ランキングでは28位)が率いる新恒基グループだ。


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