「3年後離職率」は入社した女子正社員のうち何%が3年以内に離職したのかを示している。新卒社員が短期間の内に大量に辞める会社は、何らかの問題を抱えていると見たほうがいいだろう。
厚生労働省職業安定局の調査では、2012年3月に大学を卒業した人のうち32.3%が3年後に退職していた。毎年、大卒の約3割が3年以内に離職するとの結果が出ている。離職率をチェックする時は3割がひとつの基準になるが、業種によって差があるので同業他社との比較も忘れずに行ってほしい。
たとえば、宿泊業・飲食サービス業の3年後離職率は約5割なので、宿泊業・飲食サービス業で4割ならば3年後離職率の低い企業と言える。
さらに注目のデータは「既婚率」。これは結婚後も働いている女子正社員がどれだけいるのかを表す(既婚女子正社員÷女子正社員全員)。一般的には既婚率が高い企業は、女性にとって働きやすい企業だ。
結婚しない理由は人によってさまざまだが、既婚率が低いということは「結婚する相手を探す時間もないほど忙しい」、または「仕事と家庭生活を両立することが難しい」という状況が想像できる。
「くるみんマーク」とは?
ただ、既婚率は高いのに、勤続年数が短いという場合もあるので注意してほしい。こうした場合は「結婚してからも働き続けられるが、子どもができると退職することが多い」ということが考えられる。「仕事が忙しすぎて育児の余裕がない、または、会社の子育て支援が不十分」という可能性がある。
子育てをしやすい会社かどうかは、社名の横に「くるみんマーク」があるか否かでも判断することができる。企業が従業員の子育て支援のための行動計画を策定・実施すると、厚生労働大臣から「次世代育成支援対策に取り組んでいる企業」との認定を受けることができる。この認定を受けていることを示すのが「くるみんマーク」だ。くるみんマークの認定企業は2138社(2015年3月末)にのぼり、政府認定の「子育て支援企業」と言える。
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