結婚・出産後も長く働ける会社を探すには? 「就職四季報 女子版」の読み方と使い方<1>

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結婚や出産がキャリアにどのように影響するのか、心配している女子が多いことだろう。内閣府男女共同参画局の調査では、職業に就いている女性のうち約7割が結婚と第1子出産によって離職する。就活して内定を取るのは大変だが、その後長く勤務し続けるのはもっと厳しいのかもしれない。

結婚、出産後も安心して働き続けることができる企業を選ぶには、まず【産休期間と取得者数、給与】を見てほしい。労働基準法では出産の6週間前から出産後8週間まで休むことができるが、最近は出産の8週間前から出産後8週間まで休める企業が増えてきた。法定期間を上回る制度のある企業は女子社員に優しい会社と言える。

実際の利用人数を確認しよう

ただ、立派な制度があっても、制度が利用しづらい雰囲気が社内にあって実際に利用されていないのならば、何も制度がないのと同じだ。

そこで、『就職四季報女子版』では1年間に産休を実際利用した人数も掲載してある。女子社員数が同程度の企業と比較して、利用人数が少ない場合は要注意だ。最近よく話題になる「マタハラ」が社内に蔓延している会社かもしれない。

また、労働基準法では産休期間中に、健康保険から休業前給与の3分の2が支払われることになっている。最近は休業前の給与と同額を支払う会社もある。

次にチェックすべきは【育児休職期間と取得者数、給与】。育児介護休業法によって、子どもが満1歳になるまで(保育園に入れないなど、特別な事情がある場合は1歳6カ月になるまで)育児休暇を取得できる。この期間は雇用保険から休業前給与の50%の金額を受け取る権利がある。

子供が3歳になるまで育児休暇を取得することができるなど、会社によっては法定以上の条件を揃えている場合もある。特に女子社員が多い百貨店などはそういった傾向が強いが、産休同様に実際の利用人数もチェックしておくべきだ。
 

田宮 寛之 経済ジャーナリスト、東洋経済新報社記者・編集委員

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たみや ひろゆき / Hiroyuki Tamiya

明治大学講師(学部間共通総合講座)、拓殖大学客員教授(商学部・政経学部)。東京都出身。明治大学経営学部卒業後、日経ラジオ社、米国ウィスコンシン州ワパン高校教員を経て1993年東洋経済新報社に入社。企業情報部や金融証券部、名古屋支社で記者として活動した後、『週刊東洋経済』編集部デスクに。2007年、株式雑誌『オール投資』編集長就任。2009年就職・採用・人事情報を配信する「東洋経済HRオンライン」を立ち上げ編集長となる。取材してきた業界は自動車、生保、損保、証券、食品、住宅、百貨店、スーパー、コンビニエンスストア、外食、化学など。2014年「就職四季報プラスワン」編集長を兼務。2016年から現職

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