一方、「国籍も宗教も人種も違う人たちと、エキサイティングな仕事ができることも魅力」と語るのは、加納裕二さん。グループ機関の一つである国際金融公社(IFC)の東京事務所で、インフラストラクチャー局のプリンシパル・インベストメント・オフィサーを務めている。
加納さんが世銀グループを知ったのは、日本の国際大学大学院に企業派遣され、開発経済学を学んでいた時だ。「世界中の人々と協力しながら、世界中のクライアントと仕事をする環境に身をおきたい」と思い、2004年、35歳の時にみずほコーポレート銀行から転職した。
IFCの主な業務は途上国の民間セクターへの投融資。近年、民間資金でインフラなどを整えるPPPが盛んにおこなわれているが、こうしたプロジェクトを立ち上げた民間企業に対して融資したり、株を買ったりするのが、IFCの役目だ。
加納さんはワシントン本社に配属されると、プロジェクトに対する融資の審査をするインベストメント・オフィサーとなり、主にアフリカの発電所のプロジェクトを担当。そこには思い描いていた環境が待っていた。
「世界各国のメンバーとチームを組んで、さまざまな国のプロジェクトを審査するわけですが、非常に刺激的。思いもよらない意見やアイデアが次々と出てきます。前職の頃は、変な意見を言う人がいると聞き流していましたが、最近は『もしかして良い意見かも?』とちゃんと聞くようになりました。こうして皆で力を合わせ、難問を解決していく面白さはケタ違いです」(加納さん)。
休暇は遠慮せずに取得できる
2012年から3年間は、バングラデシュに赴任し、発電所プロジェクトの融資の一次審査を担当した。「2人に1人は電力を使っていないバングラデシュで、当行が融資した発電所が操業開始した時の喜びは格別ですね。『これで570万人分の電力がまかなえるんだ』と考えると、疲れが吹き飛びます」と、加納さんは仕事のやりがいを強調する。
2015年7月からは東京事務所で、途上国への投融資を検討する日本企業を発掘し、現地との橋渡しをしている。「東京にいますが、世界各国のスタッフと世界各国の仕事をしているのは変わりません」と加納さん。
「世銀グループの良さは、働きやすさ。多国籍のメンバーが揃うので、休みはしっかり取れるし、『家庭の用事で打ち合わせを翌日に延期して』といっても嫌な顔をする人はいません。転職してから、子供の行事にはすべて参加しています」(加納さん)。
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