世界銀行は、どのような人材を採用しているのか 国際機関へ就職するために必要なこと

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世銀グループでは、基本的に中途採用のみ実施している。すべての業務に、高い専門性が求められるからだ。採用活動は不定期だが、近年、日本人の採用に力を入れており、今回は2015年12月末から募集を開始した。石原さんのようなエコノミストや、加納さんのようなインベストメント・オフィサーをはじめ、複数の職種で人員を募集している。締め切りは2016年2月5日を予定している。

求められるのは、高度な語学力と、高い専門性を持つ人材。特に語学力は最低限の目安がTOEIC880点以上、TOEFL PBT 600点以上、TOEFL iBT 100点以上。会話はもちろん膨大な書類を短時間で目を通して論点をまとめる能力や、プレゼン能力が求められる。英語のほかにフランス語やスペイン語など、もう一つ外国語ができると有利だ。

高い専門性としては当該分野の修士号以上を持ち、かつ企業で5~10年以上の実務経験を求められることが多いが、実務経験があれば大学学部卒生でも入れる職種もあるという。

海外の大学院修了者が多い

実務経験は日本企業でも構わない。募集する分野も金融以外に、土木や教育、エネルギーなど幅広い分野の専門家が対象だ。これまで入行した人の多くは、修士号を海外の大学院で取得しているが、日本の大学院を修了した人もいる。加納さんはその一人で、大学も大学院も日本だ。

基本的に世銀側が求める専門分野の人材を募集するので、自分が研究してきた専門分野と合わない場合は応募は難しくなる。そんな狭き門ではあるが、興味のある人は世銀の就職サイトをのぞいてみるといいだろう。

また、条件に合う実務経験や専門性を持たない人でも、意識的にキャリアを積んでいけば、必ずチャンスはある。世銀以外の国際機関についても同様で、早めに意識して研鑽を積んでいけば、世界への門戸は開けるはずだ。

杉山 直隆 オフィス解体新書・代表

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すぎやま なおたか / Naotaka Sugiyama

1975年生まれ。専修大学法学部卒業後、カデナクリエイト入社。ビジネス誌やビジネス書、企業の社内報・PR誌の執筆・編集を主に手がける。2016年に独立(屋号:オフィス解体新書)。社会人インターンシップ情報を紹介するブログメディア「30歳からのインターンシップ」を立ち上げ、取材活動をしている。共著に『課長・部長のための労務管理 問題解決の基本』『図解&事例で学ぶ入社1年目の教科書』『クイズ商売脳の鍛え方』など。

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