ネット炎上参加者「実は高年収」という仰天実態

「暇な若者」でも「低学歴ひきこもり」でもない

結局、「極端な人」というのは、己の中の正義に従って他者に攻撃を加えている、不寛容な人なのである。実際、先述のスマイリーキクチさんの事件でも、デマを信じて「正義感からやった」と供述している人がほとんどだったようだ。

中には、毎朝決まった時間に必ず投稿するような人もいたようである。その人は普通のサラリーマンだったという。そのような行為をしていた理由は、凶悪犯人についてネット上で言及することで社会に貢献できると考えていたかららしい。

正義による快楽の連鎖

ここまで明らかになった炎上参加者の属性や書き込んでいる動機から、炎上の1つの姿が見えてくる。このような人々は、それなりに知識があり、情報に触れる機会も多い。分析では、ラジオ聴取時間が長いといったような特徴も出ていた。

そのように知識がある中で、政治やジェンダーなど、関心のある問題に対して確固たる信念や、ロジックを抱くようになる。○○は正しい、△△は間違っている……。

そして、そのような自分の考えと異なる発言を見たときに、批判をする。批判をするだけならばよいが、一部の「極端な人」は、そこから感情的に人格攻撃までしてしまうというわけだ。

そしてもう1つ、企業の不正行為や、一般人の悪ふざけ、芸能人の不祥事などに対しては、「悪いことをしている人(企業)を叱りつけている」ということがある。「こんな人・企業には制裁を加えなきゃいけない」「こういうことをする人は教育しなきゃいけない」。こういう気持ちで、心無い言葉を大量に書き込んでいくのである。

「正義中毒」という言葉がある。脳科学者の中野信子氏は、人間は正義感をもとに他人に制裁を科すと、快楽物質「ドーパミン」が分泌されることを指摘している。この快楽に溺れてしまうと、やがて極端に不寛容になり、他人を許さずに正義感から裁くことで快楽を得ようとし続けてしまう、正義中毒になるというわけである。

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