スズキ総会で見たインドへの驚くべき本気度 シェア50%を維持、2030年に500万台狙う
「まだ2年目でヨチヨチ歩き。(トヨタ自動車の)豊田章男社長は10年以上も苦労されていると思う。少しでも足元に近づけるように頑張りますので応援よろしくお願いします」
スズキが6月28日に静岡県浜松市内の老舗ホテルで開いた株主総会。鈴木俊宏社長がそう述べると、会場から大きな拍手が起きた。昨年の株主総会で実父の鈴木修会長から総会の議長の役目を譲り受けて今年が2回目。同年代で創業家の重責を同様に担う豊田社長と比べてエールを送ってきたという株主の声に応じた形だ。
インド事業テコに世界販売倍増を狙う
だが、こうした謙虚な発言とは裏腹に、今年の総会では俊宏社長はいつになく気合いが入っていた。「スズキの未来を懸けた挑戦だ。全社を挙げて取り組んでいく」。語気を強めたのは、5割の乗用車シェアを握るインド市場とともに成長する姿勢を鮮明にしたときだ。
俊宏社長は「インドの乗用車市場は2030年に1000万台になる。スズキが現在のシェア50%を維持すれば、500万台の規模ということだ。そのほかの市場でも200万台売ると考えれば、スズキが世界で販売する車は700万台になる。理論値ではあるが、現在から倍増するまったく未知の領域だ。今後の成長に向けて、スズキはチャレンジしていく」と断言した。
2018年3月期のスズキはまさにインドが牽引して絶好調だった。世界販売は前期比10.5%増の322万台と過去最多を更新。そのうち、インドは同14.5%増の165万台を占めるなど、スズキの屋台骨だ。インドではハッチバックの「バレーノ」やSUV(スポーツ用多目的車)の「ビターラ・ブレッツァ」、セダンの「ディザイア」の好調に加え、新型「スイフト」も投入するなど、スズキが得意とする小型車が快走を続けている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら