欧州新興電池「ノースボルト」が破産申請の背景 自主再建を模索も、顧客や投資家の信用戻らず

✎ 1〜 ✎ 303 ✎ 304 ✎ 305 ✎ 306
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
ノースボルトはヨーロッパ発の電池スタートアップの本命としてもてはやされたが、実力が伴わず破産に追い込まれた。写真はスウェーデンの電池工場(同社ウェブサイトより)

ヨーロッパの新興電池メーカーのノースボルトは3月12日、本社所在地のスウェーデンで破産を申請したと発表した。

同社は2024年11月、アメリカで連邦破産法11条の適用(訳注:日本の民事再生手続きに相当)を申請し、自主再建の道を探っていた。しかし最終的に断念に追い込まれた格好だ。

「経営再建に向けて実行可能なあらゆる方策を講じたが、事業の継続に必要な資金を確保できなかった。そのため取締役会は、破産申請が唯一の解決策であるとの結論に至った」。ノースボルトは声明の中で、再建断念の理由をそう説明した。

工場完成前から大型受注

2016年に設立されたノースボルトは、アメリカのテスラで調達担当の幹部を務めたピーター・カールソン氏が創業。ヨーロッパ発の電池スタートアップの本命として、大きな注目と期待を集めていた。

同社の株主リストには、ドイツ自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)やBMW、アメリカ金融大手のブラックロックやゴールドマン・サックス、スウェーデンとデンマークの年金基金など、そうそうたる顔ぶれが名を連ねていた。

さらにノースボルトは、同社の工場がまだ建設中の段階で、ヨーロッパの複数の自動車メーカーから車載電池の大型受注の獲得に成功した。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事