
ヨーロッパの新興電池メーカーのノースボルトは3月12日、本社所在地のスウェーデンで破産を申請したと発表した。
同社は2024年11月、アメリカで連邦破産法11条の適用(訳注:日本の民事再生手続きに相当)を申請し、自主再建の道を探っていた。しかし最終的に断念に追い込まれた格好だ。
「経営再建に向けて実行可能なあらゆる方策を講じたが、事業の継続に必要な資金を確保できなかった。そのため取締役会は、破産申請が唯一の解決策であるとの結論に至った」。ノースボルトは声明の中で、再建断念の理由をそう説明した。
工場完成前から大型受注
2016年に設立されたノースボルトは、アメリカのテスラで調達担当の幹部を務めたピーター・カールソン氏が創業。ヨーロッパ発の電池スタートアップの本命として、大きな注目と期待を集めていた。
同社の株主リストには、ドイツ自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)やBMW、アメリカ金融大手のブラックロックやゴールドマン・サックス、スウェーデンとデンマークの年金基金など、そうそうたる顔ぶれが名を連ねていた。
さらにノースボルトは、同社の工場がまだ建設中の段階で、ヨーロッパの複数の自動車メーカーから車載電池の大型受注の獲得に成功した。
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