欧州の新興電池「ノースボルト」、従業員を2割削減 工場建設や量産に手間取り、リストラ不可避に

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ノースボルトは野心的すぎた事業計画が裏目に出て、リストラを余儀なくされた。写真はスウェーデンの車載電池工場(同社ウェブサイトより)

スウェーデンの新興電池メーカー、ノースボルトの経営が苦境に直面している。同社は9月23日、全従業員の約20%に相当する1600人を削減する計画を発表した。

ノースボルトは2016年10月、アメリカのテスラで調達担当の幹部を務めたピーター・カールソン氏が創業。ヨーロッパ発の電池スタートアップとして大きな注目と期待を集め、電池工場の完成前の段階で、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)やBMW、スウェーデンのボルボ・カーなどから大型受注を獲得した。

こうした初期の成功を追い風に、ノースボルトはEV(電気自動車)向け車載電池の年間生産能力を2030年までに150GWh(ギガワット時)に拡大するという野心的な経営目標を掲げた。

正極材料の自社生産を中止

ところが、その後の製品開発、工場建設、量産立ち上げはことごとく難航した。同社の直近の業績は期待値にまったく届いていない。2023年の売上高はわずか1億2800万ドル(約184億円)にとどまり、純損益は11億6700万ドル(約1678億円)の赤字、損失額は2022年の2億8400万ドル(約408億円)から4倍に膨れ上がった。

そんな中、ノースボルトは9月9日に事業計画の見直しを発表。スウェーデンでの電池用正極材料の自社生産を一時停止し、中国メーカーまたは韓国メーカーからの調達に切り替えるとともに、スウェーデン、ドイツ、カナダで計画していた3つの車載電池工場の建設を延期した。今回発表した人員カットも、一連のリストラの一環にほかならない。

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