欧州連合が「中国製EV」に対する追加関税を可決 11月から適用、中国との代替案の交渉にも含み

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EUは中国製EVに追加関税を課すことを加盟27カ国の投票で可決した(写真はイメージ、欧州委員会のウェブサイトより)

欧州連合(EU)の加盟27カ国は10月4日、中国製EV(電気自動車)に追加関税を課すという欧州委員会(訳注:EUの政策執行機関)の提案について投票を実施。そして同日、欧州委は「提案は必要な支持を得て可決された」との声明を発表した。

この声明は、投票の具体的な中身について明らかにしていない。しかし複数のメディアの報道によれば、追加関税に賛成票を投じたのは10カ国、反対票は5カ国で、残り12カ国は投票を棄権した。

なおEUの規定によれば、議案の可決・否決は加盟国の投票数だけでは決まらない。27カ国のうち15カ国以上が反対し、それらの国々の人口がEUの総人口の65%以上を占めた場合、議案は否決される。

自主規制案に厳しい条件

欧州委は中国製EVを対象にした反補助金調査に2023年10月に着手し、すでに2024年7月から最高38.1%の追加関税を暫定適用している。

今回の投票結果を受け、欧州委は10月30日までに反補助金調査の最終結論および追加関税の実施規則を公表する。そのうえで11月から正式適用を開始する予定だ。

その一方、欧州委は声明の中で「EUと中国は(自主規制などの)代替案を模索する努力を続けている」とし、交渉による妥協にも含みを持たせた。

ただし、代替案は欧州委が指摘した不当な補助金を相殺するのに十分なものであると同時に、強制力があり検証可能でなければならないと厳しい条件をつけている。

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