中国製EV(電気自動車)に対するEU(欧州連合)の追加関税をめぐり、複数の中国メーカーが提出した(自主的な)輸出規制案を、欧州委員会(訳注:EUの政策執行機関)が拒否したことがわかった。9月12日、同委員会のオロフ・ギル貿易担当報道官が明らかにした。
ただし、中国メーカーの提案は門前払いされたわけではない。ギル報道官によれば、欧州委は交渉を通じた解決に向けて「引き続きオープンかつ柔軟に対応する」という。
一方、中国商務省の報道官は9月12日の定例記者会見で、王文濤商務相が近く訪欧し、欧州委のヴァルディス・ドムブロウスキス上級副委員長(貿易担当)と会談すると発表した。
太陽光パネルに自主規制の前例
中国政府と欧州委は、追加関税の根拠とされた中国製EVに対する(中国政府の)補助金の問題について、今後も協議を継続し妥協点を探る。
(訳注:王氏とドムブロウスキス氏は9月19日、EU本部があるベルギーのブリュッセルで会談したが、双方の溝は埋まらなかった)
欧州委が今回拒否した中国メーカーの提案について、ギル報道官はその具体的な内容は明らかにしなかった。しかし関係者の間では、中国メーカーがヨーロッパ向けのEVの輸出価格を一定以下に保つと同時に、輸出台数にも上限を設ける提案だったと見られている。
というのも、中国とEUの間にはそのような自主規制の前例があるからだ。2013年8月、中国製太陽光パネルに対する反ダンピング措置をめぐり、欧州委は中国メーカーの自主規制案を受け入れた。この時の提案内容も、輸出価格および輸出数量の上限を定めたものだった。
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