住友ゴムが半世紀を経て「ダンロップ・ブランド」で欧米市場に再チャレンジする歴史的背景

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オールシーズンタイヤの常識を覆したダンロップ「シンクロウェザー」(筆者撮影)
オールシーズンタイヤの常識を覆したダンロップ「シンクロウェザー」(筆者撮影)

今、住友ゴムが大きく動こうとしている。

住友ゴムは、ダンロップとファルケンという2つのブランドを扱うタイヤメーカーだ。その住友ゴムが、1月に、欧米のダンロップ商標権を5億2600万ドル(826億円)でグッドイヤー社から取得する予定だと発表した。

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住友ゴムは、取得したダンロップ・ブランドによる世界展開とともに、タイヤのプレミアム化を進め、事業利益率を6.6%(2023年)から、2倍以上の15%(2030~2035年)を目指すという。

「ダンロップを販売する住友ゴムが、ダンロップ商標をグッドイヤーから取得とは、どういうこと?」と思う人もいるだろう。実のところ、ダンロップというブランドは、日本国内においては住友ゴム扱いだが、欧米ではグッドイヤー社のものなのだ。

ダンロップとグッドイヤーというビッグネーム同士が交錯するのには、その歴史に理由がある。その紆余曲折を理解するうえで、まずは住友ゴムとダンロップとの関係を振り返ってみたい。

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英国生まれのダンロップ

ダンロップは、1888年に英国のJ.B.ダンロップ氏による「空気入りタイヤ」という、世界初の偉大な発明をもってスタートする。

英国で生まれたダンロップは、1900年代初頭に早くも世界展開を実施。日本においては、1909年に、英国ダンロップの工場が神戸の地に作られた。この英国ダンロップの日本支社が、今の住友ゴムのルーツとなっているのだ。

そんな英国資本の日本のダンロップは、2つの大きな世界戦争を生き延びるものの、戦後の1950年代の高度経済成長期に失速。国産タイヤメーカーに後れを取り、業界最下位になってしまう。

そこで英国ダンロップ社は、日本での自前の経営を諦め、当時付き合いのあった住友グループの一員である住友電工に日本のビジネスを任せた。そうして1963年、英国ダンロップの支社は、日本人経営による住友ゴムとして再スタートを切る。

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