住友ゴムが半世紀を経て「ダンロップ・ブランド」で欧米市場に再チャレンジする歴史的背景

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それが、今回の欧米ダンロップ商標の取得となったわけだ。半世紀を経て、ダンロップのリーダーとして再び世界市場に挑戦することになる。

そんな世界へ挑戦するダンロップの武器となるのが、「アクティブトレッド」と呼ぶ新技術だ。これは、タイヤの性能を環境にあわせてアクティブに変化させるというもの。

「シンクロウェザー」を履いたクルマをテストして、その性能は確認済み(筆者撮影)
「シンクロウェザー」を履いたクルマをテストして、その性能は確認済み(筆者撮影)

2024年7月に第1弾となるオールシーズンタイヤ、「シンクロウェザー」が発表され、東洋経済オンラインでも「ダンロップ『夏冬兼用タイヤ』で市場激変の可能性」と題してレポートした。

このタイヤは、水に触れることでゴムが柔らかくなり、低温でも柔らかさを維持。1世代前のスタッドレスタイヤと同等のアイス性能を備えることに成功した。「アイス路面が苦手」というオールシーズンタイヤの常識を覆したのだ。

実際、シンクロウェザーのこの冬の販売は、非常に好評だったという。ちなみに、高性能なシンクロウェザーの値段はそれなりに高く、ダンロップ・タイヤのプレミアム化に大きく貢献している。

「SPORT MAXX」で世界へ打って出る

そして、住友ゴムは今年3月に実施した「長期経営戦略」発表会において、アクティブトレッド技術を進化させた第2弾のオールウェザータイヤを2027年に北米に投入し、2028~2030年には、第3弾として高グリップ性能と高耐摩耗性能を両立する超高性能スポーツタイヤやEV向けタイヤを欧州に投入すると発表した。

2035年を見据えた長期経営戦略を「R.I.S.E. 2035」として発表(筆者撮影)
2035年を見据えた長期経営戦略を「R.I.S.E. 2035」として発表(筆者撮影)

こうした高性能かつ高価格なタイヤが人気を集めれば当然、利益率も高くなるだろう。中国系自動車メーカーやアセアン系タイヤメーカーが市場で大きく成長していく今後、廉価版のタイヤで勝負するのは、日本のメーカーとしては不利になる。プレミアム化は正しい路線だろう。

また住友ゴムは、従来の「VEURO(ビューロ)」シリーズの後継となるプレミアムコンフォートタイヤ「SPORT MAXX LUX」を2月より発売した。今後は商品ラインナップを整理して、世界的に「SPORT MAXX」を主軸としてゆくという。

「SPORT MAXX LUX」は操縦性と静粛性の両立をうたう(筆者撮影)
「SPORT MAXX LUX」は操縦性と静粛性の両立をうたう(筆者撮影)

新しく市場に出てゆくのであれば、製品名は少ないに越したことはない。特に北米という大きな市場において、現在のダンロップのシェアは低い。シェア獲得には、複数の製品名ではなく、「ダンロップ=SPORT MAXX」のイメージを作り上げることが有利になるだろう。

日本に本拠を構えて116年目となるタイヤメーカーが、日本で開発した新技術を武器に世界市場に打って出る。なんとも応援したくなるシチュエーションだ。その成果に注目したい。

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鈴木 ケンイチ モータージャーナリスト 

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すずき けんいち / Kenichi Suzuki

1966年生まれ。茨城県出身。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。レース経験あり。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

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