スズキ総会で見たインドへの驚くべき本気度 シェア50%を維持、2030年に500万台狙う

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総会は議長2年目の俊宏社長がそつなく進行。それぞれの質問に、営業や技術など担当役員が簡潔に答える場面が多い中、インド事業に質問が及ぶと、空気は一変。俊宏社長は「インドに思いのある会長から答えさせていただく」と修会長にバトンタッチした。この日、初めて口を開いた修会長はいつものフレーズである「あのー」から始め、熱が入った答弁を繰り広げた。

「早いものでインドに進出して今年で36年になる。過去10年、市場は毎年9%伸びている。スズキはおかげさまでそれを上回って伸びている。インドのシェアが50%を超えているのは取引先、ベンダー、ディーラー、マルチ・スズキ、ジャパンスズキなど全社で全力を尽くした結果だ。おかげさまで部品の現地生産も進み、インドでの国産化率は90%以上だ。(インド首相の)モディさんがおっしゃる『メーク・イン・インディア』施策に沿うものだ。現在の乗用車シェア50%を維持し、2030年には欲張って500万台を獲得したい」と語った。

そのうえで「1カ国で500万台も造った経験はない。大挑戦だ。今までのように来期、2年先の計画と積み重ねてでは計算できない。2030年に500万台を達成するという前提に立ち、2030年から18、19、20年を逆に見ていく発想の転換が必要だ。今から準備しておかないといけない」と強調した。

インドは新工場立ち上げラッシュ

実際、準備に大忙しだ。スズキはインドで工場建設ラッシュを迎えている。主力となるグジャラート工場では昨年初めに第1工場が稼働し、2019年初めには第2工場も稼働する。さらに第3工場の建設もすでに予定しており、3工場合計で年間75万台の生産能力を有する見込みだ。インドには、グジャラート工場のほかに既存工場が2つあり、現在生産のメドが立っているのは225万台規模だ。将来を見通すと、まだ生産能力不足であることは否めない。 

スズキのインド・グジャラート工場。2017年初めに第1工場が稼働した(写真:スズキ)

総会では、マルチ・スズキ・インディア社長を務める鮎川堅一副社長も登壇し、「500万台を目指すとなると、25万台規模の工場があと11個は必要だ。部品供給会社も含めて、能力拡張の協力をお願いしなければならない」と話した。そのうえで、商品や販売、サービス網の拡充にも言及した。

「今は車種が16モデルあるが、500万台を目指すとなると足りない。30モデル以上は必要になる。さらに商品や生産体制ができても売るサービス体制がないといけない。販売店は現在2700店あるが、1万店まで拡大する必要がある。またセールスマンは4万人いるが12万人に増やし、サービスメカニックも3万人から10万人へと増強する必要がある」

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