「シェイクシャックが惚れた男」の経営哲学 だから黒船高級バーガーは日本進出を決めた

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メニューのフォントにもこだわった(撮影:大澤誠)

店長のみならず、アルバイトもそうした考えを持って働ける環境にしないといけない。今回、立ち上げ時のメンバーには2~3カ月ほど米国に行ってもらい、日本でどうこだわりを持ってやるか、考えてもらった。

メニューのフォントも然り。ホールで働いている人の接客や会話もそうだ。たとえば、かしこまって「いらっしゃいませ」だと、シェイクシャックではない。「どうもこんにちは。寒い中、30分待ちますけど、いいですか」だと、シェイクシャックらしい、とかだ。

スタバでも、いかにオーナーシップを持って、来てもらったお客さんに挨拶するかをまず考えてもらっていた。そこにマニュアルはない。初めて入ったアルバイトの中には、非常にシャイで何も言えない人がいる。

ただ、「こう言いなさい」とは言われない。自分で工夫していく中で、「昨日も来ていただき、ありがとうございます」などと、自然に出てくる。それが自信になって、また次につながる。

「半歩先のライフスタイル」を提案できるか

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東京・千駄ヶ谷にあるサザビーリーグ本社(撮影:大澤誠)

――40近いブランドを展開していますが、海外ブランドの目利きはどうしているのですか。

われわれのメンバーが海外に行ったとき、どういうものが流行しているか、常にアンテナを張っている。その中で、こちらからアプローチする場合もあれば、向こうから来る場合もある。

実際に日本で展開する場合、これだったら、われわれが掲げる「半歩先のライフスタイル」を提案できそうというのが、まず初めの感覚にある。それは「新しさ」や「楽しさ」「かっこよさ」などだ。最近では、ダウンウエアの「カナダグース」の日本での独占販売契約も結んだ。

われわれはライフスタイルストアを目指している。どんな業態でも「半歩先を行っていて、いいね」と思われるのであれば、衣食住に限らず展開していく。コーヒー、アパレル、バーガーであろうが、面白いものを楽しくやっていく。

――スタバで成功して、声が多くかかるようになったのですか。

もともとアニエスべーを日本で成長させたことが大きい。「サザビーリーグは短期ではなく、ブランドを大事にしながら成功させようとしている」との評判が広がった。スタバもアニエスべーの成功を見ていた。

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