「シェイクシャックが惚れた男」の経営哲学 だから黒船高級バーガーは日本進出を決めた

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スタバに限らず、カンペールなど、われわれが日本で展開する海外ブランドの多くが結構つながっている。最近では、ロンハーマンもロサンゼルスに3~4店しかないが、日本では15店まで増えるなど規模が大きくなっており、本国から非常に評価してもらっている。

――再上場は考えていますか。

正直なところ、考えていない。上場のメリットとデメリットを天秤にかけたとき、デメリットのほうが大きい。

新規事業に取り組むとき、じっくり育てたいと思っても、上場しているために短期的な利益を求められる。われわれのように多業種になると、もっと大変だ。上場していなければサザビーリーグの信頼感や知名度がないかというと、そういうわけでもない。

日本のベンチャー支援はIT系ばかり

角田良太(つのだ りょうた)/11歳から22歳まで米国在住。帰国後、新卒1期生でサザビーリーグ入社。スターバックス日本1号店・銀座松屋通り店店長などを歴任(撮影:梅谷秀司)

――今後のサザビーリーグはどうなっていくのでしょうか。

永遠に運営できるブランドはない。時代とともに古くなって、やめるものもある。今展開しているブランドを活性化しつつ、なおかつ新ブランドを生み出すことを常にやっていきたい。

ロンハーマンだろうが、フランイングタイガーだろうが、シェイクシャックだろうが、素材が違うだけで、結局は人がいないとできない。オーナーシップを持ってそのブランドを背負っていける人材がいるかどうかだ。

そのためにも、「サザビーリーグは何か常に新しいことをチャレンジしているよね」と、社外にも社内にも思ってもらい続けることが重要。そういったイメージを持ってもらうことで、人も集まってくる。

その一環で昨年に続き、今年も3月に(スタートアップ企業を応援する)「リアンプロジェクト」を開催する。半歩先のライフスタイルを創造するビジネスプランを発表してもらい、優秀なプランに対しては出資や提携につなげるものだ。

こうした新規事業のイベントは米国では多いが、日本ではIT関連に集中していた。われわれはライフスタイルという観点で、新しいことを生み出す場を提供できないか、考えて始めた。

人とアイデアが集まる場としてビジネスマッチングを提供したい。今回はユナイテッドアローズ創業者の重松理さんにも審査員として入ってもらい、いろいろな視点で貴重なご意見をもらえると思っている。

冨岡 耕 東洋経済 記者

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とみおか こう / Ko Tomioka

重電・電機業界担当。早稲田大学理工学部卒。全国紙の新聞記者を経て東洋経済新報社入社。『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部などにも所属し、現在は編集局報道部。直近はトヨタを中心に自動車業界を担当していた。

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