「シェイクシャックが惚れた男」の経営哲学 だから黒船高級バーガーは日本進出を決めた
ニューヨークのマディソン・スクエア・パークにある1号店は、まさに「公園と一体化したバーガースタンド」という感じだ。店内には席が1つもない。
住宅街やビジネス街にも店舗があるが、それぞれの立地に応じて、デザインや空間を変えているところが面白いと思った。
商品もいい。看板商品の「シャックバーガー」はチーズバーガーのようなもので非常にシンプルだが、パンと具材のバランスがうまい。高級レストランをやっていた人が、いかに一体感を出そうと考えたかがわかる。
さらに中身を聞くと、アンガスビーフを使い、肥育にもホルモン剤を使っていないなど、食材へのこだわりがある。サービスもいい。みんな元気で笑顔だ。
――実際に先方の経営陣に会ってみて、どうでしたか。
やっている事、言っている事がすごく本物だなと感じた。どのパートナーと組むときもそうだが、特に強く感じたのは、価値観が合っていて、ブランドを大事にする姿勢が同じということだ。
われわれは短期的な商売ではなく、いかにお客さんに喜んでもらえるかを考えている。彼らも社名にあるように、ホスピタリティをとても大事にしている。この人達とパートナーになったら面白いし、チャレンジしていけると感じた。
価値観を共有できるかが重要
――飲食関連では、スタバの日本展開を成功させた実績があります。今回も同じような感覚がありますか。
先方は、日本で組むパートナーがシェイクシャックをきちんと表現し、展開してもらえるかを重視している。これはスタバも同じ。
私はスタバの日本展開の交渉にも携わったが、彼らはいろいろな日本企業からオファーを受けていた。ただ、どうしても相手先に期待する価値観がヒットせず、結構時間をかけてやっていた印象だった。
最後はハワード・シュルツさん(現・米スタバCEO)たちに日本のわれわれのお店を見てもらい、同じ価値観を感じ取ってもらった。シェイクシャックによる日本でのパートナー選定も、そうした状況と似ていた。
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