世界のゴミ問題は「福岡方式」が解決している 120カ国に技術指導、愛され"ゴミ先生"の正体

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――単にゴミ処理場を改善するだけでなく、仕組みづくりも素晴らしい。今後の展開について教えてください。

星野:開発途上国では環境担当の部署がない自治体も多かったのですが、今は増えてきました。環境問題が重視されてきたと実感しています。国連ハビタットとしては、これから福岡方式を、ケニアを拠点に、そしてアフリカの別の国やほかのエリアにも広めていきたいと考えています。

悲惨な歴史が、技術を生んだ

ケニアで「福岡方式」の処分場を建設中の現場

松藤:福岡方式をもっと世界に普及させたいですね。学問は普遍性と再現性がないといけない。福岡方式がどんな国・気象条件でも応用できるかという、福岡方式の限界への挑戦です。

そのためには産学官民の連携が重要だと感じています。僕は今、使用済み紙おむつの再利用も研究しています。共通するのは、地球にやさしい資源の循環サイクルを広めることです。

九州という地は、水俣病やカネミ油症など、過去大変悲惨な現実に向き合ってきた。産業の発展に伴い環境や人が受けてきた悪影響を未然に防ぐにはどうしたらいいか、それも私のテーマです。

僕がゴミの研究を始めた当初、大学まで出てゴミの研究なんて……と陰口を叩かれた。でも、今は環境が世界の大きなテーマとなりました。福岡で生まれたこの技術が、国と時代を越えて世界へ広まり、さらにシンプルでローコストで持続可能なゴミ処理法になるように、これからも力を尽くします。

佐々木 恵美 フリーライター・エディター

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ささき えみ / Emi Sasaki

福岡市出身。九州大学教育学部を卒業後、ロンドン・東京・福岡にて、女性誌や新聞、Web、国連や行政機関の報告書などの制作に携わる。特にインタビューが好きで、著名人や経営者をはじめ、様々な人たちを取材。

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