ところが夫はそれには応じず、「円満離婚してくれ」と繰り返すのみ。埒があきません。両方の親にこのことを告げ口するのは、親想いでプライドが高い夫ですから、逆切れされるのは解っています。家裁の調停を受けるのも、かえってこじれるだけだと判断しました。
どうすることもできず随分悩んだ挙句、自分が納得できれば「円満離婚に応じる」と条件を出しました。その条件に夫が食いついたのかどうかは知りません。
彼はその過程で、「現地妻」がいることを告白しました。子供までいる間柄だといいます。信じられないことですが現地妻には独身だとウソをつき、それがバレないように婚姻届けは、彼女の籍に自分が入る約束まで出来ているというのです。
現地妻も一時はそのことに疑心を持ったようですが、よほど出自に問題があるのかと聞かれた程度で、今では早く籍に入るようせかされているというのです。
浮気相手の関係がこじれて自然解決する場合もある
そんなすったもんだが1年程続いたあと、数美さんの方も心の整理が付き始め、心が夫から離れて行き、婚姻の継続に意味が見いだせなくなった頃の話です。「現地妻」の方から、夫との別れ話が持ち上がりました。
几帳面な数美さんは、毎日の自分の責任と義務を果たす中で、新たな人生の道を切り開く時間が出てこなかったのです。ところがその間に、夫と不倫相手の仲が勝手にこじれて、夫が家庭に戻りました。相手の子供さんがどうなったのか私は知りませんが、その後は普通の夫婦に戻ったと、数美さんはいいます。
彼女は時々このことを思い出して夫に腹が立つことも有るそうですが、真剣に生きておればそれ以上に毎日やらねばならない仕事が多く、悩む間はないそうです。新たな夫婦の歴史を刻んでいる感の方が強いと言います。
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