残念ながら民主党復活への道のりは遠い 野党は何をどうやって訴えるべきなのか

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木本:大阪の大東市ですが、ホントの地方の地方でも、「こんなに差があるんや」と思ったんです。大きい小さいでたとえるのは良くないかもしれませんが、大きい政党ほど寄り合いで、中継点になっている組織がと全国に点々とあるわけで、すごい怖いなあと思ったんです。

御厨:といいますと?

木本:そこで、「夢を語っていると当選しないんだ」と思ったんですよ。熱ければ熱いほど当選しない。

御厨:だって夢を語っても、投票日に行動してくれないと。自民党のすごいところは、戸板に乗せてでもおじいさんおばあさんを投票に行かせるところですよ。若い人は投票に行きませんから。日本の投票率は年齢を重ねるごとに上がるわけ。シルバーデモクラシーで、若い人の声が反映されないと言われるけれども、絶対に既得権を守ろうというじいさんばあさんたちの声が大きくなるのは当然です。

5人しかいない政党に意味はあるのか?

木本武宏(きもとたけひろ)/1971年大阪府生まれ。1990年木下隆行とお笑いコンビTKOを結成しツッコミを担当。2006年、東京へ本格的進出。S−1バトル優勝、キングオブコント総合3位などの受賞歴がある。1月13日スタートのテレビドラマ『ヒガンバナ〜警視庁捜査7課〜』で刑事役に挑戦

木本:そうですよね。いま簡単に新しい政党が産まれるじゃないですか、客観的にみて、野党として勝負するならば、できるだけ大きな組織作って勝負したほうがいいんじゃないかと思うのですが。小さくても自分たちのチーム作るのは、何の意味があるんですか?

御厨:その理由は、5人集まると政党交付金がもらえるから。政党交付金をもらって、「すきなことを言える」最小単位が5人なんです。

木本:質問の権利も得られるんですね。

御厨:ある程度はね。一人前の顔ができる。政党交付金は何もしなくてもお金が降りてくるんです。それも国民の税金ですが……。だから小沢一郎は山本太郎を抱き込んだ。本来は小沢一郎の政党なのに、山本太郎の名前が入った政党になるわけですよ。

木本:その話を聞くと不思議なのは、本来は政党作って、兵隊増やすのが王道ですよね。世の中を良き方向に動かしていこう。大きな塊になろうというのがが目的なのに、今は政党を作るのがマックスになってしまっているんですか?

御厨:おっしゃるとおり。それでくたびれて、党として遇してもらっていればいいというね。それは岡田民主党と大して変わらないわけです。

木本:志が低すぎるわけですね。

御厨:5人じゃ絶対与党にはなれないですからね。最初の核としてはいいけれども、そこからどこを飲み込んでいくかを考えるのが政治なわけ。

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