「飲み会の遅刻」、米国では最悪のマナー違反 「ちょっと仕事が長引いて」は通用しない

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製品やサービスの徹底向上をめざして、働く人の時間管理は後回しにする日本に対し、米国は、製品・サービスの中に働く人々の時間管理も含まれていると言えるのでしょう。

小走りはマナー違反

寛容というイメージの米国ですが、徹底した時間管理については、日々の生活でも目にします。日本では道路で小走りする人をよく見ますが、米国ではまず見ることはありません。

日本人は、信号が赤に変わりそうとなるとついつい走ってしまうものです。私も、アメリカに住み始めたばかりの頃は、ついつい走っていました。

そうすると、そのたびに、前を歩いていた人たちは必ず振り向きます。しかも、その顔は恐怖でひきつっています。アメリカの道で後ろから走ってくる人は、「引ったくり」というイメージが定着しているのです。そのため、走ることがマナー違反になるのです。

こういう環境ですので、オフィスをぎりぎりに出発して、待ち合わせに向かうことはご法度です。地下鉄の階段を駆け降りる人も駆け上がる人もいません。時間に余裕を持って出発することは、当然のことなのです。

食事会は5分前から15分前に着く

余裕を持った行動がマナーとされているため、ビジネス本には「遅れた時の言い訳」といった項目を目にすることはありません。なぜなら遅刻は、「言い訳のきかない、最悪のマナー違反」だからです。

米国のレストランでは、会食のメンバーが全員そろわなければ、料理の注文を受け付けてはくれません。時間どおりに集まって、全員でメニューを広げることが最低限のマナーになっています。

日本では、19時30分開始の食事会でも、「仕事の都合」で遅れる人がいますが、米国ではマナー違反以前の問題です。なにしろ、食事会が成立しなくなってしまいますから。

これは日本でも米国でも同じですが、ビジネス会食でホスト側の場合は、15分前に到着してお客さまを迎えます。お客さまのほうが先に着いてしまうと、ホスト側が恐縮するので、ホスト側が15分前、お客さまが5分前あたりをめざせば間違いないでしょう。

ホストがいない食事会でも、15分から5分前に到着するのがスマートな振る舞いといえるのではないでしょうか。

横江 公美 政治アナリスト

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よこえ くみ / Kumi Yokoe

名古屋市生まれ。明治大学経営学部卒業。博士(政策研究)。松下政経塾、プリンストン大学客員研究員、ジョージ・ワシントン大学客員研究員、ジャーナリスト、ヘリテージ財団上級研究員を経て、現在、PACIFIC21代表。政策、企画、企業研修に関するコンサルティングを行っている。主な著書に『日本にオバマは生まれるか』(PHP新書)、『話は5行でまとめなさい』(ビジネス社)などがある。

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